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SFR-Mesh とは
日本国内の DMR モードは以前より様々な実験が行われていましたが、特にハムフェア2023 にて J5RBD 加藤OM により SFR(Single Frequency Repeater)の実験が行われたのをきっかけとして、VoIPリンク研究会などの活動や、熱心な SFR基地局管理者の皆様のご尽力により、近年で急速に普及が進みました。
開発のねらい
これまでも、ご自身でホットスポットやドングルなどを導入し VoIPリンクを活用、普及されてきた多くのアマチュア無線家の皆様のご尽力により、様々なネットワークが形成されております。一方で、実現には機材と一定の知識や技術が必要な側面もあります。
今回、次の目標を開発のねらいとしました。
- VoIP システムの知識が無くても楽しめる
- VoIP 機材が無くても DMR 無線機があれば楽しめる
- 応答は PTT 押下のみで簡単に
- 現地での複雑な TG 番号登録作業を無くす
- 既存機材を無改造で活用(管理者や利用者側の負担をサーバー側で吸収)
- RF での運用を最大限活用
- 万一の緊急時や災害時、防災でも実用となる、許容される性能
また、現在国内各地で SFR基地局を設置運用されている管理者有志の皆様は、独自に設備を用意され、それを維持しオープンに提供されています。地域やサービスエリアによっては、運用者が少ないこともあるかと思います。また、全国の DMR を楽しまれている方々と無線の上でお話しできたら嬉しいと思います。
一方で、ホットスポットは、ご自身で工夫や改善をしない限り、個人が自分の為に設置し利用する前提で接続し、その先のシステムもレピーターを除いては、ホットスポットの先に不特定多数のユーザーが存在する前提ではない側面があり、現在の日本での SFR 運用となじまない場面が生じていました。
これらを実現するため、新たに発案・開発した上位 TG 制御レイヤーを導入し、従来の TG の役割を単なる配信先から「セッション生成トリガー」として再定義します。これにより、中央集約型であった TG 制御を各 SFR(Single Frequency Repeater)へ分散し、メッシュ状に接続された通話セッションを動的に形成する、新しいネットワークアーキテクチャを実現します。
従来の DMR ネットワークでは、通話は主に固定されたトークグループ(TG)に基づいて配信されます。ユーザーが PTT を押すと、その TG に接続しているすべてのノードへ音声が配信されます。
この方式はシンプルで広く普及していますが、SFR 環境ではいくつかの問題が発生します。
通常、この方式では TG への接続を維持する必要があります。しかし、SFR は単一チャネル資源のため、TG 接続中はチャンネルが常時接続となり、SFR のリソースを占有してしまいます。また接続中は、ローカルの交信トラフィックがそのままネット側に流れてしまいますので、自宅に設置されたホットスポットのような環境では大きな問題になりません公共性が高い SFR では弊害となります。
SFR の接続に関して
現時点では小さな規模になりますが、VoIPリンク研究会のご協力を頂きまして、新しく生まれた制御技術の実証実験の為の運用を行っており、システム総体として完成を迎えるまでは、広く接続の募集を行う段階にはありません。
この技術の紹介や使い方などに関するお問い合わせ等は、VoIPリンク研究会にお願いしております。
現在開発中につき実験段階で、運用パフォーマンスなどの想定や評価、改善作業を行っております。その際、ある程度の負荷や状況を作るトラフィックは必要となりますが、ログ採集などの観点から必要以上のロードは作業の支障になることと、作業中のモジュール再起動が多く発生しますので通信が途絶えますので、管理できる範囲での実証実験となっております。また、この間は開発者の判断により、作業スケジュール優先で接続・切断を作業の必要に応じて行っております。
今後の接続拡大に際しては、インフラサーバーである性質上、安定した運用リソースの確保など、解決しなければならない課題があります。(開発者個人で負担できるワークロードや金銭的なコスト範囲を超えます。)
重ねてになりますが、VoIP 機器が無いユーザーにも広く、RF 通信を起点として SFR を通してより多くの方と通信できることを目標としており、不特定多数のプライベート HS を直接接続することを主な目的としておらず、接続管理方法も異なります。また、これを収容するための開発・運用リソースコストを継続して個人が維持できないのが現状です。
また、SFR 側の HS をシステムの一部として制御を委譲、分散して運用する都合上、設定ミスや複合条件などによりシステム全体に影響を及ぼす可能性があり、対応を含めた適切な運用管理を必要とするシステムです。
実証実験を進めていく中で、現在普及している保護隔離された接続条件のレフレクション方式を前提とした MMDVM 製品は、双方向の協調制御が必要ないため、そのような機能が一切なく、両方向からそれぞれ一方的な配信を行うことにより成立しています。今回の方法もそこを前提として設計しておりますが、通常運用が行われているサイトに接続をする仕組み(保護隔離されていない状況)においては、どうしても性能と品質確保の上で限界が明らかになってきました。
今後はホットスポット側(SFR基地局 現地側)での協調制御が、性能維持では必要となることが判明しました。出入り口の協調制御は、移動局端末を直接制御できない Tier II で出来る最後の砦となり、今後の最大の課題です。
実証実験中の各 SFR基地局での HS の設置・運用に関しましては、それぞれの SFR 管理者の責任においてお願いいたします。SFR-Mesh はインフラ提供を目的としたシステムリソースであり、SFR基地局設備の運用管理を負うものではありません。
2026年7月より、上記の不足を改善するため、VPN 自動接続・設定情報自動展開・設定や半自動キャリブレーション機能などの、新しい Hot Spot 端末用 OS の新規開発を開始しました。この HS 用 OS が完成しましたら展開を開始します。またこの OS では、仕様変更の際も自動で管理サーバーからプログラムをプッシュして、システム開発の進展とともに、管理者の手を煩わせることなく最新の機能の活用が可能になります。
DMR 以外のモードの接続について
様々な制御を ETSI に準拠して構築していますので、DMR 専用のシステムです。フレームレベルで関与していますので、DMR プロトコル以外のモードでの相互運用には、制御面でのインタープリターのような機構が必須で、その開発の可能性は現時点では非現実的と認識しています。従来型の Static TG 接続互換レベルが現実的なラインと考えています。
一方で、Open Bridge Protocol(OBP)を実装し、既存の ADN システムとの外部相互接続の互換性は維持していますので、将来の展開の可能性は残してあります。
また、D-APRS のモジュール実装も計画しておりますが、ブロードキャスト思想の現行の APRS は、APRS から DMR ネットワークへの双方向の通信を実現するために常時接続を要求することになりますので、シングルリソースの SFR 経由での親和性は大変悪いのが現実です。一方で、DMR からの一方的なデータの垂れ流しは簡単ですが、APRS の双方向通信のポリシーに反することになりますので、難しい判断が必要な状況です。
